眠れる森
A Sleeping Forest



第八幕 ◆ 「告 白」


Reported By No.998 いおり


スコップを手に御倉の森で タイムカプセルを掘る直希

< 交換日記 ( 逆転イッパツマン絵柄 ) より >

 わたしが どうしてお父さんからあんなひどいことを されなきゃいけないのか お母さんに聞く
 実那子のお父さんは別にいる・・・お父さんは 本当のお父さんじゃなかったの・・・
 ・・・ぼくたちが それぞれ大切にいているものを タイムカプセルにしまって御倉の森に埋めるんだ
 僕は運動会で 一等賞のメダルをしまうから 実那子は本当のお父さんの写真を埋めるんだ・・・・


ペンダントを手に取り 周りを伺う 直希・・・影から覗く 国府・・・

ペンダントを開け 直希が見た実那子の父とは・・・・?

急ぎ タイムカプセルを埋める直希 まるで見てはならなかった・・・とでも言うように

車で帰る 運転中の直希
 「 ・・・そういうことだったのか 」

・・・・俺にはもう わからなかった・・・どうやったら実那子を救えるのか・・・・

 

三菱 ( toppoBJ・・・他 )の展示販売所にて 仕事中の直希を 敬太が訪ねる

御倉の森の タイムカプセルの中身を聞く 敬太に直希は 写真なんてない
子供のガラクタが入ってるだけだった・・・みつかったとしても 事件には関係ないとウソをつく

実那子の 姉の墓参りをした後 国府が中華街に戻ってるんじゃないかと聞く直希に
敬太は 言葉も返さず 直希のウソを疑う

 

帰宅する直希を 待っていた実那子

・・・自宅近くの公園の遊具前で缶コーヒー(ミルクティー)を手に2人・・・

どうだった御倉・・・という実那子に
あれ以上のことは何もみつからなかった 沖田将人くんの母とも会えなかったし
もう御倉のことは 忘れたほうがいい・・自分のこと信じてればそれでいい・・・という直希

実那子は輝一郎に 人殺しかもしれない私との結婚式(12/24)は 延期してほしいと言ったが
素敵な明日を信じてる女の子だった実那子を信じてる・・・としかられたと直希に話す

そんな風に言われて 別れる男はいない 本当に別れたいと思うんなら自分から黙って消えるべきだった それもできないで自分の思い語るなんて甘えてるだけ・・・
どんなことがあっても お前のこと離さないからって言ってもらいたいだけなんだろう・・と直希に諭される

 

実那子の仕事場 結婚式まであと1ヶ月・・・仕事中も上の空の実那子

それを見つめる国府・・・手には あのペンダントが・・・

そんな実那子に同僚は 30代半ばの男の人が訪ねて来たという
国府では・・・?と思い外に出る実那子
視線の先に見た後ろ姿は・・・やはり国府

 

直希の家 台所で料理を作る由理 ( ごはん 味噌汁 肉じゃが きんぴら?)

直希は X’masの企画書を手にPCの前

いつまでここにいるの?という由理に 行方不明の人間が見つかって、2人がX’masイブに 無事結婚式ができたら出て行くと言う
それなら X’masは一緒にいてという由理に 直希は X’masに七面鳥のグレービーソースを食べるのが夢といい 由理は必ず作ると喜ぶ

由理を駅まで送る直希・・・それを見つけた実那子は コンビニに隠れる

 

実那子の家

15年前の事件書類の中 戸籍謄本に見入る実那子・・・御倉市の文字に・・・

 

翌朝 輝一郎のドアのノックで目覚める直希
輝一郎「 実那子がいないんだ・・・」

御倉に行ったと悟った2人は 輝一郎の車で後で追う

別れる話をされたこと 12才のときのボーイフレンドが 川で死んだのは父の仕業だと当時の実那子は思っていたということ 犯人は自分だと思い込んでいることを話す2人 実那子は閉じた回路を 無理矢理こじ開けようとしているのか?

直季「 急ぎましょう・・・」

 

御倉の廃虚と化かした生家

15年前の殺人現場に立ちすくむ実那子・・・そこへ到着した2人

実那子「 ここよね 私が生まれた家・・・家族が死んだ家・・・」
何も思い出せない実那子に 無理矢理思い出さなくていいと輝一郎

そんな輝一郎の制止も聞かず 町中の人々( 商店街 )に15年前のことを 聞きまわる実那子
輝一郎「 もういいだろう!」

実那子は直希に わたしの同級生に会わせてと頼む

 

実那子の子供のころの同級生 高木佐江の家にて
御倉の森で実那子の姉と3人で ままごとをしたこと
父の虐待から 母は守ってくれたこと 実那子はいつも笑ってたということ
沖田将人くんを 父が川に突き落とした噂があった事実を聞く

実那子に 高木佐江は 昔のことは思い出さないほうがいい・・もうこの町には 来ないほうがいいと告げる

 

川での回想シーン

川で釣りをする将人くんに
実那子「 マキ拾ってくるね 」
将人 「 できるだけいっぱい拾って来てね 」

将人の背後から近づく 実那子の父・・・ズッダーン 響きわたった大きな川音に 実那子は急ぎ川へと戻る

・・・・流されていく将人くんを 追いかけてわたしは必死に走った・・・・

急流を流される将人くん 追いかける実那子 将人くんを見つめる実那子の父に
実那子「 お父さん助けて!将人くんが川に落ちちゃったの・・お父さん!」・・・・無言で立ち去る父・・・

 

川の吊り橋で3人

実那子「 父はどうして・・・・?虐待し わたしのボーイフレンドを殺したんだろう?実の父なのに・・・」
という実那子に 義理の父であることを知る2人の心中は・・・

私の父は異常者だった 私にもその血が流れてる だから・・・私がやったのよ・・と決め付けようとする実那子
父のことが知りたいという実那子を 父の秘書をしていた現市会議員のところへ連れて行く

 

御倉市役所前庭にて

現市会議員「 確かにわたしがお父様のありばい証言をしました わたしはお父様に拾われた身です
    お父様の力がなかったら・・・わたしは政治の世界には・・・」
沖田将人くんが川に落ちたとき 2人で会議中というのは 実那子を守るためのウソだったと言い。福島学院の学長に圧力をかけ 姉と交際していた国府を退学させようとしたことも白状する

実那子「 父はどんな人間でしたか?異常者でしたか?」
実那子の母は森林保護のボランティア活動をしていた
あるとき母の不貞が発覚し母の大切にしていた御倉の森を父はダム用地に開発しようとする
現市会議員「 しかし結局 相手の素性はわかりませんでした・・・」

・・・・直希 なにげに視線をそらす・・・・

現市会議員「 奥様が別れると ダムの開発の件はすぐ棚上げにされました
    お父様はそんな子供じみたところのある方でした・・」
実那子「 母が・・・不倫・・・」

子供の頃の実那子は映画 「小さな恋のメロディ」 が好きでトロッコに乗って町と飛び出すラストシーンに憧れてたんだ・・・・と話す直希
実那子「 子供には子供の世界がある 大人には大人の・・・不倫をした母を父は決して許さなかった
    でも私はなぜ虐待されなきゃいけなかったんだろう・・・」
疑問を深める実那子

 

木々の中の小道を歩く3人は輝一郎と国府のいた 福島学院の寮にたどり着く

国府のところによく姉の手紙を持って来ていた実那子とキャッチボールをしたり 宿題教えてやったりしたんだよ・・と輝一郎

実那子は姉と国府が X’masに かけおちしようとしているのを知り きっと応援していた
そんな実那子が 殺人をおこし国府に 罪をきせたりするはずが無いと言う

あの夜 この町に残ってたら・・・と悔やむ輝一郎は 事件は国府と姉の私情のもつれが原因で
イブの夜 壊れた国府は 犯行を犯したが 当時小学生だった実那子までは殺せなかったんだと推測し告げる

そんな実那子に 「 国府見つけて 聞いてやるよ・・」 と直希

 

結婚の報告にと 墓に来た3人は 供えてあったバイオリンの楽譜を見つける
輝一郎「 国府だよ・・・きっと 」 バイオリンの上手かった姉への罪ほろぼしのつもりなのか・・・?

実那子「 どうしてあなたたちが死ななきゃいけなかったのか 私必ず突き止めます
     もし犯人が私だったら  ・・・私が私を裁きますから・・・」
墓に手を合わせる実那子 後ろを振り返りつぶやく 「 あそこが私の・・眠れる森・・・?」

 

眠れる森を歩く3人

実那子「 まだ 行ってない場所がある・・・かくれが・・・心のかくれが・・・真相が眠ってるかくれが・・・
    催眠療法で カギを開けてくれる様 私あなたのお父さんに 頼んでみたい・・・
    15年前に受けた 治療を受けて 年齢退行で12才の時に見たもの すべて見せてもらうの・・・
    どうせフラッシュバックで 思い出すんなら一度に思い出したいの・・・」
直季 「 ・・・実那子ゴメン・・・俺・・・実那子の人生・・・おもちゃにした
    思い出させたくなかったから 忍び寄る過去があるんだったら 俺逃げてほしかった・・・
    そのためだったら 実那子の今 壊してやろうかなと思ったけど
    実那子案外丈夫にできててさ・・・
    なかなか壊れなくて 結局実那子の人生 いいようにもて遊んだだけだった
    もう これ以上見たくないんだ・・・俺 実那子が傷ついたり苦しんだりするの
    だから証明してくれよ・・・な・・・過去が 人間を作るんじゃないんだって
    濱崎さんとの今が実那子・・・これからの実那子を作るんだって・・・そういうの俺に見せてくれよ
    俺・・たぶん 国府から実那子を守ってやるっていうのは口実で
    本当は濱崎さんから実那子のこと かっさらってやりたかったんだと思う・・・
    でもそうやって15年間見つめ続けたことで実那子のこと 結局 実那子の人生 狂わせてると思うと
    俺たまんないんだ・・・我慢できないんだ・・・自分に・・・・・・だから さよなら実那子・・・・・
    ・・・・幸せに なれよ 俺に出来ることは最後までやるから それで許してほしい・・・」

(輝一郎に向かって)
直季 「 いろいろ迷惑かけてすみませんでした 国府のことだったら俺にまかせて下さい
    無事に結婚式 向かえられるように 俺祈ってますから 」
その場を立ち去る直希・・・

輝一郎「大丈夫か?」
実那子「(涙ぐみ)・・・もう少しここにいてもいい?」

 

森を一人歩く直希 例の場所でタイムカプセルが 荒らされていることに気づく・・・ペンダントが・・ない
直季 「 なんで ねえんだよ・・・誰が・・・」
    「 あんとき・・・いたんだ・・・国府が・・・」

タイムカプセルを元に戻す直希 こぶしを地面に 土を握りしめ 国府に怒りと恐れを覚える

 

車に乗った輝一郎と実那子 直希に対して 不思議な友情を感じるという輝一郎に
実那子は幸せになってほしいと つぶやく


直希との回想シーン

        出会いから〜これまで・・・

 

とあるホールの地下駐車場 仕事を終えた直希は スタッフとあいさつを交わし 自分の車に向かう
ふと 頭には 国府のことがよぎる・・・

車のドアを開けようとする間際 キーを落とす直希
立ち上がったその時 背後から何者かに鉄パイプで襲われる
帽子を落とし倒れる直希・・・構わず殴り続ける暴漢者
倒れ込んだ直希が 顔を上げ 鉄パイプ越しに見たものは ゲームを楽しむかの様に うす笑みを浮かべた
国府の顔だった・・・

手と足をビニールテープで縛られ 口をふさがれた直希を 車のトランクに押し込み 連れ去る国府・・・

拉致された直希・・・いったい国府の目的とは・・・?

 


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