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-1度目はストーリー、2度目はセリフや表情を。素敵なドラマは何度も楽しめる。-


このページは、No.1133 哉子がお伝えします。


★ 第3話 「止まらない想い」 

★☆ ストーリー

自殺に見せかけた女子大生殺人事件。
船上パーティーで出会う完三と涼。美羽と涼。そして、涼と優子。
同じ並びのビデオ。同じ並びのブレスレット。
涼に近づく由紀。写真に写る由紀。
―ひとつひとつの出来事が、パズルのピースのように散りばめられる。

銀行に列が出来ている。
先頭は完三で、30万円の引き出しも出来ない自分の口座に顔をしかめていた。

『Reve』では、優子が日下との食事を楽しんでいた。
優子の口元についたソースに2人で慌てることにまで、なごやかな雰囲気がにじみ出る席だった。
そんな時、厨房の奥で自分を見て笑っている涼を発見した優子は、くやしげにナプキンを握りしめた。

日の出署では、女子大生殺人事件の容疑者として連行した大熊から大した証言を得られず、頭を抱えていた。
そこへ加わった完三が、被害者との―合い鍵を持っていてもおかしくない― 関係、鍵が掛かっていなかった事件現場から、大熊を犯人としたときの矛盾を提示する。
それよりも完三が気になるのは、やはり、写真に写るビデオテープの順番だった。

お色直しを終えて化粧室を出た優子は、涼と出くわした。
落ち着き払って話しかけてくる涼に対して、常にややケンカ腰で答えていた優子だったが、涼がふともらした「ついてる」という言葉に反応して手で顔を覆い、「取ってやる」と近づく涼に更に反応してあとずさりして目を閉じる。
それを待っていたかのように、涼はキスをするようにどんどん顔を近づけていく。
やがて、気配を感じて目を開けたと同時に睨みつける優子に、涼は、悪ぶる様子もなく、笑顔で厨房に消えた。

西原家では、美羽が両親に「好きな人が出来た」と涼のことを打ち明けていた。
だが、頭ごなしに反対する父・建造に、美羽の顔に悲しみが広がっていく。

涼は、厨房の片隅で雑誌を見ていた。
『Reve』の取材を申し出たその雑誌は【新時代電気】、開いていたページには優子の名前が載っていた。

いつものように居酒屋で席をともにする完三と杉田だったが、杉田は声を大にして完三を責めていた。
いつもと違う誘い方をされ、期待をふくらませていたのに、いざ来てみれば金の無心…では当然だろう。
しかも理由を聞いても何も語ろうとしない完三に、杉田は怒りを爆発させた。

美羽の携帯電話が鳴り、『Reve』の文字が表示されたことで、それが涼からだというのがわかる。
が、電話を手に取ることをためらっているうちに、着信音が途切れた。
途端に後悔が浮かぶ美羽の部屋へ、母・京子が声を掛ける。
かげりを見せる西原グループの経営再建に柏木の力が必要であることを告げ、柏木との付き合いを考え直すように説得する京子を前に、美羽の表情は、悲しみを増すばかりだった。

涼は部屋でペンキを塗っていた。
いくつかの照明と非常口のランプのみが薄く光を放つ部屋で、その中を区切る格子に、ただただペンキを塗っていた…。

『Reve』の定休日を利用して優子が取材にやってきた。
料理をカメラにおさめた後、取材をはじめたが、『Reve』に入って間もないという涼からは、冗談めいた答えしか返ってこない。
優子が思わず尋ねた涼自身のことさえも冗談で返す涼は、逆に、美羽のことを尋ねたが、優子は何も知らなかった。
負けん気を発揮して涼と対峙する優子に、涼は、ペースを狂わされる自分を感じていた。
その時、タイマーが鳴り、厨房に戻る涼。
追うように優子も厨房に入ると、涼はスープの下ごしらえをしていた。
食欲と涼の誘いにうながされ、優子は、涼と一緒にスープと赤ワインを味わった。
食事の空間を埋めるようにお互いのことを尋ね合ったが、多くを語らない涼とは対照的に、自分のことを一生懸命話す優子に、涼は思わず笑ってしまう。
それが優子の機嫌を損ねそうになると、涼は弁解し、弁解する自分に照れたように厨房に白ワインを取りにいった。

完三は、刑事課の廊下の片隅で、なんとか金を借りようとサラ金に電話をしていた。
そこへ杉田が現れた。
完三は、電話を切って逃げようとするが、サラ金のチラシを持って再び問いただされ、困り果ててしまった。

帰り支度をする優子。涼は― 寝てしまっていた。
下ごしらえの鍋を任せられた優子は、一応言われた通りにしてから、テーブルを叩いて涼を起こし、自分の火傷が気になるか、直した方がいいか、と涼に尋ねた。
直すことはない、気にならないという涼の答えは、優子の予想通りで、さらに、涼の発する言葉の何もかもを理解しているように話す優子。
すると、涼は自分にも火傷の跡があることを打ち明け、上着を脱いでその跡を見せた。
優子は涼の背中にそっと手を乗せ気遣うが、涼は女の子の気を引くには一番使えると言って笑う。
そんな風に悪ぶる涼を見透かすように、優子は、自分の思い出を語り、涼の孤独を感じ取り、もう1度火傷の跡に触れた。
だが、涼は、その手を拒絶するように肩から押し離し、優子を帰らせようとした。
帰り際、涼の孤独に重なる”寂しかった自分”を打ち明けた優子を見送り、厨房に戻った涼は、感情をぶつけるように、思いきりゴミ箱を蹴った。

完三は、金が必要なのは優子の火傷を消すためであることを、ようやく口にした。
兄の面目も手伝って家計に手を出すわけにはいかない、と言う完三の気持ちを知り、杉田は快く金を貸すことにした。
その夜、借りた金をポケットに忍ばせて、完三は優子に火傷の跡を直すように勧めた。
しかし、優子はこのままでいい、と断り、自分と同じように火傷の跡がある人がいると涼のことを話した。
そして、涼との仲を気にする完三に、涼が美羽の彼氏であることを教えた。

久しぶりに『たぬき』に立ち寄った完三は、涼を見つけた。
一緒にいる由紀との会話を聞いて一瞬立ち上がるも『たぬき』のおばさんに出鼻をくじかれた完三だったが、由紀が席を外したのを見計らって再び立ち上がり、涼の向かい側に座った。
お互いけん制するように完三と涼は会話を始めた。
完三はまず、おそらく1番尋ねたかった美羽のことを、涼に尋ねた。
美羽と付き合っていると言う涼に、間髪入れずに由紀のことを尋ねたが、涼は由紀は妹だとさらりと答えた。
トイレから出てきた由紀は席に戻らず、涼に「先にコンビニに行く」と告げて『たぬき』を出て行った。
もう1つ、涼の火傷の跡のことを尋ね始めた完三に、涼は小さい頃のものであると答えただけで、あとは聞く耳も持たず、席を立って店を出て行った。
買い物をする涼と由紀を見た後、帰ろうとコンビニに背を向けた完三だったが、ふと立ち止まり、きびすを返した。
由紀の顔を見て、完三が走り出した先は日の出署・刑事課。
完三が繰り返し見ていた写真。その中に写る由紀の姿を、完三は思い出したのだった。

由紀が涼に話しかける。
自分が涼にとって何番目であったとしても、涼が少しでも想っていてくれるなら、何も怖くない、何でもやる、と。
ずっと周囲からよく思われてなかった自分に、安らいで笑うことを教えてくれた涼のためなら何でもやる、と。
ひたむきな由紀に愛おしげな笑顔を見せた涼は、「おいで」と由紀を誘い、誘われるままに由紀は涼の上に乗る。
抱き寄せ、キスをして、身体を重ねる由紀の髪は、涼を優しく包んだ―。

完三は美羽を呼び出し、涼との付き合いを止めさせようとするが、美羽は涼をいい人だと言って疑わない。
そんな美羽に、由紀のことも持ち出そうとするが、美羽が席を立ったことで、それは言葉にならなかった。
完三に失望した証のように、ブレスレットをはずして、美羽はその場を走り去っていった。

帰宅してからの完三は、美羽が置いていったブレスレットを見つめていた。
そこへ遅れて帰宅した優子がブレスレットを見つけて、涼が壊れる前と同じ順番でブレスレットを直したことを完三に教えた。
「1回見たら忘れないのかな?」― 優子の言葉が、以前ビデオの順番で悩んでいた時に杉田が発した言葉と重なり、完三の頭の中を駆け巡った。

『Reve』の裏口からゴミを抱えて出た涼は、沈んだ顔の美羽を見つけて、優しく話しかけた。
周囲の反対を受け、どうしたらいいか分からなくなった美羽は、その場に力なくうずくまった。
同じようにしゃがんだ涼は、周りなんて関係ない、と美羽に笑いかけ、支える手に力を入れて美羽を立たせた。
送るから待っててと言って店に入ろうとした涼を、帰らないと言って抱きつき引き止める美羽。
涼は、美羽の想いに応えるようにキスをした。

誰もいない灯りの落ちた厨房で、熱く抱き合う涼と美羽。
抱き合ったまま、もつれるように動いたことで、調理器具にぶつかった美羽を気遣いながらも、涼は、美羽の腕にブレスレットがないことを確認し、いっそう熱いキスを美羽に贈る。
美羽は、監視の目を逃れた小鳥のように、優しく覆いかぶさってくる涼に身体をあずけた。

完三は、居間でブレスレットを見つめながら「順番が壊れる前と一緒か…」とつぶやいた。

早朝のたたずまいを見せる『Reve』の前で、完三は煙草に火をつけた。
そこへやって来た涼は、完三の姿を見つけて、不敵な笑みをこぼす。
完三は、いつものようにあしらう涼の目の前にブレスレットを突き付け、涼に尋ねた。
―「人殺す時って、どんな気分やった?」
再び不敵な笑みをこぼした一瞬の後、完三を見据えた涼を、完三もまた見据え返した。
 

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