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-1度目はストーリー、2度目はセリフや表情を。素敵なドラマは何度も楽しめる。-


このページは、No.1133 哉子がお伝えします。


★ 第8話 「明かされた過去」 

★☆ ストーリー

受話器を握りしめ、ゆっくり横たわっていく由紀。
電話を受け、由紀のマンションに向かう完三。
訳も分からず自宅に取り残された優子。
優子が自分の部屋に戻るのを待っていたかのように、携帯の着信音が響く。
”ほしのこ園”から戻ってきた涼からだった。

由紀のマンションに着いた完三は、管理人に頼んで、由紀の部屋を開けてもらった。
完三が見つけて抱き上げた由紀は意識がなく、救急車で運ばれた。

優子は、預かっていた小鳥を返すため、駅前の電話ボックスで待っていた涼と再会した。
優子から受け取った鳥かごを地面に置き、愛しげな笑みを浮かべて小鳥をあやす涼を見て、優子は、同じように鳥かごの前にしゃがんで小鳥をあやした。

病院に運ばれた由紀は、一命をとりとめた。
そして、傍らで看病してくれる完三の名前を尋ねた。
冗談を交えながら自分の名前を教えて「完ちゃんと呼んでくれ」と言う完三に、由紀は照れながら言われた通りに呼んでみる。
そして、死にたかったのではなく泣きたかったと語るそのままに涙をこぼして泣き崩れた。

自宅に帰った完三に「おかえり」と声を掛けた優子。
優子は何があったか尋ねてきたが、仕事と言っただけで多くを語ろうとしない完三に、それ以上問い詰めるでもなく部屋に戻った。
その時、完三が鳥かごがないことに気づいたが、優子は友達に返してきたと言っただけで、涼のことは口にしなかった。

優子は、以前涼と美羽の逢瀬を仲介した橋を渡っていた。
そこで思い出すのは、今まで自分が見てきた涼の姿だった。

今回の事件のことを詫びて頭を下げる涼を、『Reve』のシェフたちは温かく向かい入れた。
涼は、柏木小百合の口利きで『Reve』に戻れたことを、高級感漂うバーで小百合本人から聞かされた。
小百合はさらに、新しく展開するレストラン事業の中で、涼に1店舗任せてもいいと言う。
小百合の行動に疑問を抱いて尋ねる涼に、小百合は「あなたが好きだから」と答えた。
そのまま2人は小百合の部屋に行き、女の肌を美しく見せるという紫のシーツの上で、肌を重ねた。

完三が由紀を見舞って一緒にリンゴを食べていると、ふと悲しげな顔を見せた由紀は、三田の女子大生殺人事件の犯人は自分だと告白した。
意を決して告白した由紀だったが、完三はそれを受け入れただけで、まず身体を治す方が先決だから待つように、と言い聞かせた。

小百合の車で『Reve』に出勤した涼は、店の前にいた誰かに見せつけるように小百合にキスをして車から降りた。
『Reve』の門を開けようとする涼の背後から、その誰か―完三が声を掛けた。
店の厨房に入り、制服を着ながら裕希の持ってきた野菜を確認する涼。
完三は、何をするでもなく涼を待っていたが、野菜を確認した後に裕希が鳥のエサを取り出した時、思わず涼に視線を投げ、裕希が去った後、鳥を飼っているのかと涼に尋ねた。
涼が完三の問いにうなずきロッカーに鳥のエサをしまいに行こうと完三の前を通ると、テーブルの上にあったスパイスラックが落ちた。
謝りながら床に散らばったスパイスを拾おうとする完三だったが、涼が拾い始めるとその手を止めて後は涼に任せた。
そして、涼に、由紀が自殺未遂を起こしたことを話して自首するよう頼むが、涼は笑い飛ばすだけで相手にしない。
三田の女子大生殺人事件は由紀が殺して涼が部屋を片づけた、という自分の見解を口にしながら、完三は、涼が拾ったスパイスに手を掛ける。
ナツメグ、サフラン―その並びは、完三が落とす前と全く同じだったのだ。
涼の能力に気付いた完三は、能力のない自分をバカにしているだろう、と涼に問いかけるが、涼は何も答えない。
完三は、自分を特別な存在だと思っている涼と違って、ボロ雑巾だと思っている自分の方が人を守ることが出来ると言った。
しかし、涼は首を横に振る。
無言で何度も横に振って、誰かを守ろうとする人間が一番弱いのでは、と逆に完三へ問いかける。
そこには、自分以外の人間を信用していない涼がいた。
そして、完三にさらに問いかける。一番守りたい人間に裏切られたらどうする?と。
完三は、守ったという事実さえあればそれでいいと答え、それを示すかのように、優子に2度と会うなという言葉を残して『Reve』を出て行った。

日の出署に戻った完三は杉田に捕まり、由紀が犯人であることをなぜ報告しないのか責められたが、今はまだそっとしておいてくれ、と頼んだ。
現役の刑事がすることではない、と食い下がっても由紀の体調を気遣う完三に、杉田は、それでは誰のことも幸せに出来ない、完三はいつも自分が抱え切れないことまで抱えて後で大変になる、と声を荒げた。
そこまで言われた完三は、報告すればいいじゃないかと投げやりな答え方をして、その場を去って行ってしまった。

「こういうこと、よくやるの?」
優子が、部屋から出てきた涼に尋ねた”こういうこと”とは、涼が住むビルの屋上での2人だけのパーティーだった。
涼が用意した料理がのったテーブルを囲み、他愛のない会話でその時間を愉しむ2人。
優子は買って来たワインを出そうとして、涼が飲めないことを思い出して残念そうに涼を見たが、飲みたいと言う涼の言葉に再び笑顔を見せ、「寝ないでよ」と一言添えてワインを出す。
優子の言葉に「寝ねーよ」と強がった涼だったが、結局寝てしまった。

涼の青写真が、映像となって紡ぎ出される。
パズルのピースを合わせていく子供の手。手の持ち主である男の子がふすまを開ける。蒸気を吹き上げるヤカン。
以前は映像だけだったその記憶に、今度は途切れ途切れではあるものの、音がつき始める。
回り続けるカセットテープから聞こえるのは、”見上げてごらん夜の星を”のようだ。
男の子はふすまを開けた向こうでうつ伏せに倒れている誰かを見て叫んだ。
「お父さん!」―頭の中に響いたこの声で目を覚ました涼は、ベッドから跳ね起きた。
その音に驚き涼のそばに歩み寄った優子が、落ち着きかけた涼に触れようとすると、優子の手に反応して錯乱した涼は飛びあがるように後ずさりして、息を荒くしたまま立ち尽くした。
そんな涼の姿に困惑しながらも落ち着くのを待って再び歩み寄った優子を、涼は抱き寄せる。
震える手ですがりつく涼が安心するように言葉を掛けて優しく包む優子。
段々落ち着いてきた涼は、優子に、うなされていた悪夢の内容を教えて、冷蔵庫から取り出した1枚の紙を渡した。
優子が開く色褪せたその画用紙には、幼い頃の涼が描いた画があった。
涼は自分の唯一の記憶と言って、そこに描かれた自分と両親、そして降り注ぐように輝く満天の星を指でたどりながら優子に語り、いつか一緒に行きたい、とつぶやいた。
優子は、涼の言葉を素直に喜び、その場所がどこなのか涼に尋ねたが、涼は憶えていなかった。
以前涼から聞いた両親の死因を口にする優子だったが、涼は、そう聞かされてきただけで誰か記憶を上塗りされているかもしれないと語り、父親の死因に疑問を持ち育った施設のシスターに確かめに行ったものの、シスターは交通事故だと言い張っていたと肩を落とした。
過去は必要なのか、自分と涼がここにいるというだけでいいのでは、と尋ねる優子に、うなずきながらも本当のことを知りたくて苦しい、と吐露する涼。
優子はあまりいい予感はしなかったが、どうしても知りたいという涼を受け入れて「あなたの心は私が守る」と言い切った。
涼はそう言ってくれた優子の胸に顔をうずめた。

三田の女子大生殺人事件の捜査本部が縮小されることになった。
大沢課長はイラ立ちを隠しもせず、手がかりが何もなく縮小せざるを得ないことにイラ立ちながら言った。
杉田がうなずいたのを見ていた完三は、廊下に出た杉田を呼びとめ、由紀のことを黙ってくれたことに、そして、由紀のことは完三に任せるが何かあったら声を掛けるように、と気遣ってくれる杉田に礼を言った。

杉田は、荷物を紙袋に詰めたり、使っていたベッドのシーツを元に戻そうとしたり、かいがいしく由紀の世話をしていた。
自分の服を着た由紀は杉田に礼を言う。由紀の退院の日だった。

完三が自宅のソファに座り『Reve』の記事が掲載された【新時代電気】を見ていると、優子が帰ってきた。
最近帰りが遅いと言えば残業だと答え、日下との交際のことを尋ねるとダメになったと答える優子。
話しているうちに怒りを抑えられなくなった完三は、本当に尋ねたかったことを―涼との交際のことを口にした。
涼と会っていないと答える優子だったが、それでも並べられる涼への不信感をあらわにした完三の言葉を制止するように、彼を信じてると言って部屋へ行こうとした。
完三は、今まで涼に関わった女性がどうなったか考えろと叫んだが、優子はかたくなで、ここまで育てたのは誰だ?と尋ねた完三に、恩着せがましくて息が詰まるとまで言ってしまう。
そこまで口にする優子を、完三はもう引き止めることが出来なかった。

由紀が優子に会いにやってきた。
自首しよう、と涼に伝えてほしいと言う由紀の言葉に戸惑いながらも、涼に直接告げることを勧める優子だったが、由紀は2度と涼に会わないという完三との約束を守ろうとしていた。
由紀は、携帯電話が鳴り、仕事に戻らなければならなくなった優子の背中に「涼は悪魔だよ」と言葉を投げた。
由紀の方に向き直った優子は「ご忠告ありがとう」と言っただけで、再び背中を向けて歩いて行った。

涼が屋上に出ると、優子が来ていた。
周囲の人間に涼を信用するな、と言われたことを告げる優子は、涼が部屋に誘っても頑としてはねつけた。
そんな優子の態度に、涼は、「結局他の女と一緒なんだね」と落胆した顔を見せて1人部屋に戻った。
夕方のオレンジから夜のブルーに染まる頃、涼がふと部屋を出ると、優子は自転車を残したまま消えていた。
屋上のどこにもいないことを確認して、下を覗き込むが、優子の姿はない。
その時ふいに背後から優子の声が届いた。優子はもう1段高い所に登っていた。
同じように登って、飛び降りたかと思った?と尋ねる優子を抱きしめて一瞬抱いた不安を口にする涼を見て、優子は、悪いことをしたという顔をして、小さな声で謝った。
そして、世界中が敵に回っても涼の味方だと強い瞳で語って涼の首に腕を回す優子を、涼は強く抱きしめ返すのだった。

完三は、ケンカの気まずさも手伝って、心配している気持ちを真っ直ぐに出せず、夜遅く帰宅した優子に背を向けていた。
それを感じ取った優子もまた、声を掛けずに自分の部屋に入った。
優子が部屋に入って着替えようとした時、部屋の前に立った完三が、ケンカのことを謝り、恩着せがましいと思ってても構わないから自分の気持ちを汲んで涼と会わないでくれ、という願いを言葉にした。
優子は涙をぬぐうことも出来ず、ただ耳に届く完三の言葉を聞くしかなかった。

涼をベッドに誘う小百合。だが、涼はもう小百合を抱かないと言う。
小百合は、裏切りたくないと理由を語る涼を笑い飛ばして、レストランを1店舗任せるという話もなくなると言ったが、涼に未練など微塵もなく、あっさり帰り支度を始め、挑発的な言葉にも答えることなく小百合の部屋を出た。

完三は夕食の準備をしていた。
そこに優子から残業があるから遅くなると電話が入った。
少し残念そうな表情を浮かべるものの、優子には気遣いをさせないように言葉を掛けて、完三は受話器を置いた。
すると、今度は携帯電話が鳴った。
持って行くのを忘れたらしい、優子の電話だった。
しばらく鳴って切れた電話は、すぐ2度目の着信音を鳴らす。
それも切れた後、完三は、優子の携帯電話を手に取り、2つ折りのそれを開いてみると、最新の着信履歴には『REVE』と表示されていた。
そして、伝言メモを聞いた完三は、待ち合わせ場所を連絡する涼の声に愕然とした。

映画館の前で涼を待つ優子。
それが見えるかのように先を急ぐ涼は、映画館前の赤信号に捕まり、しばし待つことになった。
涼の目の中に優子の姿が入る。
しかし、間もなく視界が変わる。横断歩道を挟んで完三が優子の姿を遮ったのだ。
信号が青に変わり、妖しい微笑みを浮かべる涼と、厳しい顔で涼を見据える完三が、横断歩道の中央で交差した。
途端に歩みが遅くなり、徐々に足取りが危うくなり、横断歩道を渡り切る直前で倒れる涼。
涼の白いTシャツが、手で押さえた脇腹の部分から赤く染まっていく。
反対側に渡った完三は、涼の血に染まった手と、涼の血にそまったナイフを、ジャケットのポケットにしまい込んだ。
涼は、ひたすらに待ちわびる優子に自分の存在を知らせることも出来ず、ただ、手のひらを伝っておびただしく流れる血と脇腹の痛みを感じていた…。

 
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