愛ではない。
こんな風に、身も世も無く君を求める気持ちが、
君を壊してさえもこの手に抱きたいと思うこんな気持ちが、
決して愛なんて綺麗なものではないと大人は泣いた。
愛なんて知らない。
他に求めるものがある自分を、それでもそれだけ見ていて欲しいと、
あんただけを、なんて口が裂けても言えない自分に、君だけだ、と囁いて欲しいと思うこんな気持ちが、
何て呼ぶのかなんて、知った事ではないけれど。
こんな気持ちを愛なんて呼んでいい筈が無いのだ、と駄目な大人は泣く。
愛なんて知らないけれど、ただ自分だけを、と求めて欲しいだけ、とずるい子供は笑う。
ああ、それでもきみが必要なのだ、と。